2007年05月30日

熊川哲也 DVD 『若者と死』 ♪

『海賊』を観に行った会場で『若者と死』のDVDが発売されてたので、調子に乗ってついつい買ってしまった(^^;) もう少し待てばAmazonなんかでは2,000円くらい引きで買えるのに…。

           wakamonotosi .jpg

でもずっと待ってたんだもん『若者と死』…しかも、相手役はダーシーだしね(^^)

通常バレエのDVDを見る時って、アングルが悪くて頭に来ることが多い。大概は変なとこでアップとかにして足元が見切れてたり、ここは舞台全体を映さないと、脇でいい演技してるのに〜!みたいなことでイラつく。

このDVDは、最初から舞台の観客目線では撮っておらず、映画っぽい捉え方になってる。通常の演目ならかなり嫌な撮り方(笑) でも、この『若者と死』だととても自然に入り込める。

個人的趣味から言うと、2ヶ所だけ…「何でこのアングルからなの?信じらんない〜っ!」っていうところがあったけど(^^;)

全体を通して、熊川さんのアップが多すぎな気がしなくもないけど…(^^;) それを差し引いても、なかなかいい出来のDVDだと思う。

***  ***  ***  ***  ***  ***  ***  ***  ***  ***

『若者と死』の舞台って、踊りとしてみた場合に…踊り自体は凄いな〜って思っても、2人の演技が真に迫っていれば、迫るほど、その中には入り込めないような気持ちがどこかに残っていて…最後まで傍観者のまま終わってしまうことが、ホッとすると同時に少し悲しかったりする感じなんだけど…。

そりゃ〜なんの関係もない観客なんだから傍観者なのは当然だけどね…(^^;) ちょっと上手く言い表せないな〜。

でもDVDの方は、いろんなアングルから撮っていて…映画の中に入り込めた気分にしてくれる。息が詰まるような焦燥感も、運命の女がいとおしく思える時も、女に憎悪を抱く時も…あがなえない運命に従わざるを得なくなる瞬間も…。

熊川さんとダーシーの演技・踊りが素晴らしいことももちろんだけど、観客目線ではないから…物語に飲み込まれたように、あっという間に18分が過ぎ去る。もう、画面に釘付けだった。

登場人物は、若者と女性のみで、若者は画家の男性で、女性は…ただの“女”と表現されたり、“上流階級の女性”“黄色いワンピースの女性”“死神”と書かれていたりするけれど…私は“運命の女”と勝手に呼んでます(^^;) 

強靭な意志や絶対的な力を表すかのような、キレイなんだけれど強くて伸びやかなダーシーの脚が鮮やかな黄色のワンピースから突き出て…確実なステップを刻む。可愛い顔から時折笑顔のような表情が浮かぶ…けれど、愛らしいというのとは違い、一度視線を合わせたら逸らすことは出来ない、と思わせる強い視線で若者の心を鷲掴みにし自分の思い通りに従わせる、運命の女。

特に顔の表情で表現したりせずとも、様々な感情が見ているものに伝わってくるところは、さすがの一言。存在そのもののスケールがやはり大きく違う!

そして、熊川さん。
最初に熊川さんの『若者と死』を観た頃よりも、深みが増していてとても良かった。鬼気迫る…迫真の演技とでもいうのか…画家ではないけれど、同じ芸術家として何かを生み出す、表現者としてはある意味共通部分があるせいか。芸術監督として、バレエ団を引っ張っていかなければならないものとしての重責、などの実体験と重なった部分があるからか、若者の苦悩が全身で語られていて心が痛くなるような場面がいくつかあった。

『若者と死』というくらいだからあまり歳がいってからでは、また違う表現になってしまうだろうから…この時期にDVDに残せたことは、本当にラッキーだったと言わざるを得ないのではないか。

舞台上の“若者と運命の女”との相性を考えると…以前の舞台で、中村祥子さんが2度目に踊った日は、かなりいい線いってたと思う…。私のブログでは1日目のことが書かれてます。この日は、初めてだったせいか…少し幼い感じが出てしまってたように思いましたが。

…で、ダーシーとの相性はいかがなものか? …今まで何人かの“運命の女”と熊川さんの『若者と死』を舞台で観てきた中で…たぶん一番良かったのでは? 私の好みという問題も多分にあるけど、テクニックがしっかりしていて、強烈なインパクトを持った女性ダンサー。しかも…熊川さんと合わせる場合、外国人ダンサーの見るからに強そうな体躯や顔立ち、表情だとどうも釣り合わない気がしていた。

強いだけに見えるこの女に、なぜこの若者はこんなにも惹かれるのだろう?というチグハグな感じ…。その点、少し童顔な感じのするダーシーは、私のイメージの中ではピッタリなのだ。

そして…最初に書いた私が気に入らないアングル…第1位は…ラストシーン(^^;) 最後に若者の部屋のセットがすっと上がって、パリの風景が現れ…全ての苦悩から若者が開放されたかのようなシーンが印象的な音楽とともに目にドド〜ンと入ってくるところ…ここはもっと引きで…観客目線で映して欲しかった。

若者が何かを突き抜けて最後にパリの街を上から見下ろす…清々しいような、一抹の寂しさを感じるような瞬間。

ぎゅ〜っと濃厚な短い映画のような物語にどっぷり入り込んでいた、私達、視聴者?観客?を…最後に突き放して欲しかった。劇場で観ていたような気分にさせてくれるというか…。もしくは、所詮傍観者なんだ、というようにそれぞれの居場所に突然引き戻されることによってドラマチックな音楽や美しいセットが生きてくる…って思ったんだけどなぁ。

あそこは、やっぱり引きでしょう!?(笑)


***  ***  ***  ***  ***  ***  ***  ***  ***  ***

ダーシーはこういう役柄は初めてで、どうなるか自分でもわからず初めは自信がなかった、と。でも、熊川さんとあわせた瞬間に化学反応がおきて成功させることが出来た、というようなことをDVDの中でおっしゃってます(^^)

うん、私も大成功だと思いますよ〜、ダーシー♪
ロイヤル退団しちゃうなんて…もったいないし悲しい…。もっともっとダーシーの踊りを生の舞台で観たかったよ〜(T_T)

『海賊』の初日にこのDVDを買って…すぐに感想を書こうと思ってたけれど…熊川さんがお怪我をされたってことで、なんとなく気後れして書けなかったのですが、すでにカーテンコールなどで元気な姿が見れるようになったので、書いてみました!

最後になりますが…このDVDは18分で8,190円です(T_T) 内容的にはお薦めですが…いかんせん高すぎ!! 特典映像はほんの少しだけのお稽古風景とプティのインタビュー。少しだけダーシーのインタビュー、ボニーノのインタビューそして熊川さんのインタビューで…23分。

合計しても41分(T_T)
はっきり言って…23分全部がお稽古風景だったらまだ許すけど…(^^;) インタビューって1度見たら、そうそう見返さないじゃない?

はぁ〜。いい物を作ろうと思ったら…高くなるのは仕方のないことなのかしら?

それと、どうせならお金がかかるかもしれないけど…マルチアングルにしてくれたら…とも思うのだけど、どうかしら?








posted by 放蕩主婦 at 16:29| 東京 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | バレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは!

放蕩主婦さん、すでにご購入だったのですね!
実は私、ファンクラブで発表になる前にネットで予約していたのでまだ手元に届いてないのです(涙)
「海賊」公演会場で発売だなんて早く知らせて欲しかったわ〜。

しかし、いつもながらの細かい描写にすっかり観た気になってます(笑)
去年、中村祥子さんとの舞台を観たのがちょうど放蕩主婦さんが良かったと書かれてる日で、私も祥子さんの静かな迫力に圧倒されました。あの音楽とあいまってず〜んと押しつぶされそうな重さが・・・
もちろん熊川さんの圧倒的な迫力は言うもでもありませんが・・・

今回相手役がダーシーというのは、私もかなりうれしいです。彼女は都さんとはまた違う魅力ですよね!どちらも「さすがロイヤルのプリンシパル!」です。
ダーシーは熊川さんと踊る前にロベルト・ボッレとも踊ってると記憶してますが、そちらはどうだったのでしょうね?そういう事はもちろんDVDに入ってないですよね?(笑)

アングルは確かに難しいですよね〜。う〜ん、早く観たいです!
こちらにお邪魔して、ますます待ち遠しくなりました。
Posted by レイン at 2007年06月01日 16:27
連投すいません・・・
ダーシーがボッレと踊ったのは、DVDが発売になる前という事です。
熊川さんとの撮影の方が先ですね。
失礼致しました!
Posted by レイン at 2007年06月01日 16:44
こんにちは〜。
そうなんです…調子付いて買っちゃいました(笑) 個人的には、「若者と死」よりも「放蕩息子」のDVDが欲しいくちなんですが…なぜか、高いのに買っちゃいました(^^;

中村祥子さんねぇ〜。
1回目よりも、2回目の方が迫力あってよかったんですよ、本当に…。1回目の時はボブヘアーが妙に子供っぽく見えちゃって…。でも大健闘で素晴らしいパフォーマンスでしたよね(^^) 
また見たいです♪

ダーシーの踊り、私も好きです♪ 通常のダーシーはまさに“陽の輝き” を持ったダンサーだと思うのですが…この「若者と死」 のダーシーは、陽とも陰とも言えない魅力で、若者をとりこにする悪魔のような面をも持ちあわせた存在感でカッコイイですよ。

ボッレと踊っていたのは知りませんでした。DVDの中では確か…初めての挑戦と言っていたと思うので、これを撮り終えてからDVDを発売するまでの間に踊った…ということですね♪ ボッレとダーシーの若者と死も見てみたいですね〜。

バレエのDVDとアングル問題は永遠なんでしょうかね?(笑)
Posted by 放蕩主婦 at 2007年06月01日 20:00
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